喜・楽・快護

辛く苦しい介護(悔護)を”斜め”な一案で少しでも心の軽い介護(快護)目指して

【認知症】利用者とのコミュニケーション ー食事ー

「食事」そのもの、または「食材」や「味」を通してコミュニケーションを深める

今回の記事で書いている方法をもしお試しくださる方は、

10人試して2人上手くいったらラッキー!!!位の

気持ちでお試し下さい。

日記な感じの”斜め”な記事です。

 

利用者との会話が続かない

時折、リハビリの実習生を受け持った時や介護職の新人さんに

「上手く会話が広がらない」

「食べ物の好みを聞いても、すぐに一言の返答で終わってしまう」

「どうしたら、上手くコミュニケーションがとれますか?」

という質問を受けることがあります。

 

私自身は口下手だし、同世代の異性とも上手く話せないしで困っているのに

「なぜ私に質問する?」と逆に疑問に思ってしまいます。

ただ、質問してくる人たちの食事場面での関わりや余暇時間の関わりの際に話している内容や様子を見ていると、

「好きな食事はなんですか?」

「今日の献立、美味しそうですね」

「肉と魚のどちらが好きですか?」

と、殆ど会話の入り口は私と変わりがありません。

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食事場面での会話の違い

一緒の食事を食べていないのに会話を盛り上げるのは大変

違ったことは私は基本的に

「一緒の食事を摂っていないと会話が盛り上がりにくい」と考えて話しかけているのに質問してきた人たちは、

「なんで答えてくれない」

「もっと美味いか不味いか感想があるでしょう」との

スタンスで質問しているという違いがのちに判明しました。

同じものを食べたりしていれば、

「ちょっと味が薄いよね」や「この肉ちょっと固いと思わない?」など

献立の感想をお互いに話す事ができますが、食べているところに行って

「美味しい?」「肉噛み切れる?」など質問しても

「あっ大丈夫、美味しいよ」と返答して食事を再開してしまうのは、ある意味当たり前です。

「これ美味しいから職員さんも一緒に食べなよ」と誘われても

「私達は後から食べるから大丈夫」などと返答していては、会話が続くほうが不自然です。

 

 食べている最中は特に話しかけていない

対象者の認知症がどの程度という判断や誤嚥の危険性の有無は確認しています。

私の場合、食べている人に話しかけることは滅多に行いません。

注: 職種や職環境からSTさんが不在のため、食事摂取全般の評価を行うために食事場面に介入する事がありますが、その場合は別です。

話しかけるとしても、飲み込んだ後や次に食べるものを選んでいる時や、食事前のセルフ”口腔体操”、リハビリや関わりの際にメニューの好き嫌いや味の好み、食形態などのお話をさせていただくことの方が多いです。

※ 私自身が家族や友人と一緒に食事をして「これ美味しいね」や「この味は好みじゃないなぁ」など話しながら食べることが好きなこと、人見知りなので(気持ちの)距離があまり近しくない人から食事中に話しかけられることを嫌っていることも理由かもしれません。

他にも、食事前後の服薬確認や食事後の口腔ケア、トイレなど様々な業務に追われている状態では、必要な評価(食事介助をしながら等)を行うことはあってもタイミングが要求されます。

 

地域の食文化や時代背景は意識している

私自身の生まれ育ちは、地元のままですが両親がそれぞれ他地域の出自なので正直、地元の言葉や食事をはじめとする様々な文化に対する認識に微妙に差異があります。

(極端な例として、鍋物にある食材を入れるか否かや防寒着の呼び名等など・・・)

そのような事や現在の施設・事業所で提供する食事と利用者の年齢(主に70~90代:昭和初期または大正後期~昭和20年代入り口あたり)や地元の社会背景などとの違いなどは意識して食事の好みや食べ方、調理方法保存方法のお話をするようにしています。

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たまたま、私の場合は妻が妊娠中の悪阻(つわり)が酷くて、入院が必要などの事情も合ったので、自炊が必須で生活の知恵を必要としたことも重なって利用者の方々に「教えてもらう」必要に迫られていたことが大きいのかもしれません。

 

約3割の利用者(主に女性)に成功した方法

記事のはじめの方で「10人中2人」と書きましたが、実際に渡しが意識しての関わりで会話が広がったり、調理活動への参加ができるようになった利用者などは、だいたい3割程度です。

特に女性利用者に上手く言った方法は

「隠し味」

「秘密の食材」

に関する話題が私が担当させていただいたなかでは、一番反応良く返答がありました。

実際に「当たり前にやってるよ」という方も多いのかと思います。

私の場合は、行事などの調理活動やマインドマップの様に枝分けれの空欄に”料理”に関する「調理方法」「食材」などを埋めていく”頭の体操”として行うレクリエーションなどで活用していました。

それほど成功率は高くありませんが、意外と「我が家独自」は話したくなるようでした。

特に印象に残っている利用者は、重度認知症で家族の顔も殆ど分からなくなっている方が味見から導入させて頂いたところ、食器・調理器具洗いや実際の炒めものまで参加するようになった方には、私自身も貴重な経験をさせていただきました。

 

以上、今回の”斜め”な介護の一案です。

利用者さんとの関わりで「これが正解」というものは存在しない、「限りなくベストに近いベター」が殆どだと思います。

同時に利用者のできることを探す、尊厳を守る、ということは自己決定権だけを取り扱うのではなく、要介護者となった利用者の過ごしてきた生活の一部を再現することでもあるのではないか、とも考えています。

そのような経験から今回の記事を書いてみました。

注:はじめにも書きましたが、成功率2割ならラッキー程度で「話し2割」位で読んで下さい

読んでくださった方の介護に関する”気持ち”がほんの少しでも「軽く」なったと感じていただければ幸いです。